鉄欠乏性貧血

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鉄欠乏性貧血

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貧血とは、血液の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が少ない状態のことです。血液中のヘモグロビン量が、成人男性13g/dl以下、成人女性12g/dl以 下、老人の場合は11g/dl以下を貧血とされています。ヘモグロビンは、鉄とたん白質から出来ていて、酸素を体の隅々まで運んでいます。ですから、ヘモグロビンが足りないと、体の中で酸素が不足し、さまざまな症状が起きてきます。

ダイエットなどの影響もあって、特に若い女性に目立つのが貧血。疲れやすい、体がだるいといった症状があれば要注意。

貧血の種類

貧血は、原因によって次のような種類に分けられます。

 

再生不良性貧血

骨髄で赤血球をつくる機能の低下によって起こる貧血

 

悪性貧血

赤血球をつくる材料となるビタミンB12、葉酸などの欠乏で起こる貧血

 

溶血性貧血

なんらかの原因で、赤血球が壊れるために起こる貧血

 

鉄欠乏性貧血

赤血球がつくられるためには、鉄とたん白質が必要ですが、体内の鉄やたん白質の不足によって起こる貧血

 

これらの中で最も多いのが、鉄欠乏性貧血です。

症状

原因

鉄不足の原因として

   ダイエットや偏食などによる鉄の摂取不足

 

   胃腸に障害があり、鉄が吸収されにくい

 

   鉄の需要増大~成長期、妊娠、激しいスポーツなどは、鉄は通常よりも多量に必要とされます。

 

   鉄の排泄の増大~月経や痔、消化管からの出血(胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がんなどによる)によって鉄が排出され、鉄不足になります。

 

   牛乳の多飲~原因は不明ですが、牛乳を毎日500ml以上飲むと腸管からじわじわと出血し、鉄欠乏性貧血になることがあります。これは、乳幼児から中・高校生にまれにみられます。

貧血は、若い女性だけでなく、老人にも意外に多い病気です。造血機能の衰えなど老化によるものと、他の病気の症状として現われるものもあります。貧血は、急に進んだ時は症状は強く現われますが、ゆっくり進んだ場合には、身体が慣れてくるため自覚症状は軽いのですが、実際は、貧血がかなり進行している場合が少 なくありません。貧血ぐらいといって軽視せずに、医師の診断を受けてきちんと治療することが必要です。

予防

(1)   食事は規則正しく摂る栄養のバランスがとれた食事を摂る鉄の多い食品を積極的に摂る~レバー、海藻、かき貝、あさり、緑黄色野菜(にんじん、小松菜、ほうれん草など)

 

(2)    たん白質とビタミンCの多い食事を摂る~ヘモグロビンはたん白質と鉄から出来ているので、鉄ばかりでなくたん白質も摂る必要があります。また、ビタミンCは鉄と一緒に摂ると吸収を良くします。

        たん白質の多い食品~魚、肉、牛乳、卵など

        ビタミンCの多い食品~緑黄色野菜、果物など

治療薬

食物からだけの鉄では間に合わない時は鉄剤が必要になります。以前は鉄剤を飲むと、胃腸障害が起こることがありましたが、現在では吸収されやすいように工夫されています。鉄剤を飲むと、貧血の症状が良くなりますが、貧血になるということは、体に貯蔵してある鉄分も使い果たしているので、その分も貯蔵しなければなりません。ですから薬を勝手に飲み止めることなく、医師の指示に従うことが大切です。