服用について―


     
飲み忘れた時はどうすればよいでしょうか。
飲み忘れた場合、それを思い出したのが、次回の飲む時刻以前であれば思い出した時にお飲み下さい。それが次回の飲む予定時刻に近ければ、次回の飲む分を最低 4~5時間後になるように後へずらすとよいでしょう。また、思い出したのがすでに次回の飲む時間になってしまっていたら前回分はもう飲まないで下さい。前回分と合わせて"2回分飲む"ということは決してしないで下さい。
大きくて飲みづらい錠剤をつぶして服用してもよいでしょうか?
錠剤の中には、外側からは同じように見えても持続性をもたせるために、中にはいくつかの層に分かれていたり、小さな粒がつまっていたり、特殊な加工をしているものもあります。
その場合、つぶしてしまうと一度に効いてしまい、持続性は無くなり効き方も強くなります。つぶしても良いか否かは、医師や薬剤師などの専門家にお尋ね下さい。
症状が良くなったので、服用を中断してもよいのでしょうか。
熱 が下がったから、痛みがとれたから、腫れが引いたからといって、その病気が完全に治ったとは限りません。病状が一時的に良くなったように見えても、服用を 中断すればまた元に戻り前よりも悪い状態に進む恐れもあります。完全に治ったかどうかは、医師の診断によるべきです。たとえば、高血圧治療剤では、一時中 断すると、その後、血圧が異常に高くなり、前よりも病気が進行することが多く、気をつけなければなりません。
回復して、しばらくしてからまた同じ症状が出てきた場合、前にもらって残っていた薬を服用してもよいのでしょうか。
同じ症状が出たからといって、同じ病気と単純に判断してはいけません。症状が似てると思っても同じ病気か、別の病気かの判断は医師にまかせるべきです。同じような症状であったとしても、薬の効果や薬に対する反応は、その時の身体の状態によって相違があります。
医師の診断によって投薬される薬は、その人、その時の病状に適合するよう選ばれ配合されたものです。使い残しの薬を自己判断で服用することは避けなければなりません。
錠剤などを水なしで飲んだり、寝ながら飲んだりしてもよいですか。
水 なしで飲むと、喉や食道に引っ掛かったり、気管に入る危険性もあります。寝たままで飲むのも、喉や食道に薬が長く留まったまま溶けてしまい、喉や食道に潰 瘍ができることもあります。薬は、体を起こし、少なくともコップ半分の水で飲むのが良いとされています。痛風の薬や下剤は、多めの水で服用するように指示 されますが、この場合は、コップ一杯以上の水で飲むようにします。ところで、薬を飲むのに一番良い飲物は白湯で、胃の温度を下げず、薬の吸収も良くなりま す。逆に良くないのは、お茶、牛乳、ジュース、酒などで、これらに含まれるタンニン酸、カルシウム、酸、アルコールが薬の成分と結合したり分解を起こした りして薬の効果が弱まったり、また逆に強まったりもします。
複数の病院から薬をもらっています。全部飲んでも大丈夫でしょうか。
同じような薬を別々の病院からそれぞれもらっていることがあります。その場合、全部飲むと、同じような薬を通常よりも多い量を飲んでしまうことになります。
また、薬と薬のとの間には、薬の効果を互いに弱めたり、逆に強めたりすることもあります。ですから、2番目以降にかかる病院の医師や薬剤師に今自分が飲んでいる薬、使っている薬を伝えることが必要です。市販の薬についても伝えるようにして下さい。





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