脳卒中
HATSURATSU NEWS
脳には大小の血管がくまなく走り、脳の働きに必要な酸素や栄養を送っています。脳の血管が詰まったり、破れて出血すると血液がその先に送られず、脳の機能が部分的に失われ、意識を失ったり、麻痺などが起こります。これが脳卒中です。
かつて脳卒中は日本人の死因の第1位でしたが、現在はガン、心臓病に次いで3位になっています。しかし麻痺や痴呆などの後遺症に悩まされている人は多く、依然として大きな社会問題になっています。
症状
突然の頭痛、めまい、嘔吐―特にくも膜下出血の場合、激しい頭痛が起こります意識障害―意識が混濁し、気を失う場合もあります手足の麻痺―多くの場合、片側の手足に起こります
脳卒中は、脳出血、くも膜下出血、脳硬塞の3つに大きく分けられます。
◉ 脳出血
昔、脳溢血と言っていたもの。脳の血管が破れて出血します。50~60才代に多く発症。
◉ くも膜下出血
脳を包んでいる柔らかい「くも膜下」という膜の下に出血します。ストレスや過労、高血圧などが引き金になり、40~50才代に多発しますが、20才代に発病することもあります。
◉ 脳硬塞
脳硬塞には、脳血栓と脳塞栓があります。脳血栓―脳の血管が、動脈硬化などでできた血の塊(血栓)によって次第に狭くなり、詰まった状態脳塞栓―心臓病などが原因で、脳以外の場所から流れてきた血栓により、脳の血管がふさがった状態
(1)
40才を過ぎた頃から、脳の血管障害は起こりやすくなります。まだ若いからと安心せず、日常生活に注意し、動脈硬化を進めないようにすることが大切です。
言語障害
ほんの一瞬だけクラッとする、手足がしびれる、冷や汗が出てきて何となくおかしい、物が二重に見えるなどというのが発作の前ぶれということもあります。
くも膜下出血では、出血の起こる数日前から頭痛(特に後頭部)が起こることもあります。また、脳硬塞では、はっきりとした症状がなく、「何となく元気がない」、「物忘れがひどい」などの変化が現われることもあります。これは65才以上に多くみられます。
(2)
応急処置
脳卒中は、脳出血、くも膜下出血、脳硬塞の3つに大きく分けられます。
◉ 頭と首の下をしっかり支え、まっすぐ伸ばした状態で安全に寝かせられる場所へ運ぶ
◉ 頭を少し後ろの方に反らせ、衣服をゆるめ、楽に呼吸が出来るようにする
◉ 麻痺した側を上にする
治療
脳硬塞で使用する薬には、血栓を溶かす脳神経の活動を活性化させる、脳の血液の流れを良くするものなどがあります。脳出血では、出血が少なければむくみを取る薬などを使用しますが、出血が続く場合やくも膜下出血、重い脳硬塞では手術も行います。
最近は、高血圧の治療や予防が進み、重い脳出血は減り、その結果脳卒中の死亡数は減少しましたが、食生活の変化などで動脈硬化が増えた影響もあり、脳硬塞や軽い脳出血が増えてきました。脳卒中は、一度発作を起こすと手足の麻痺、痴呆などの後遺症が出やすく、寝たきりになるなどその後の生活に大きな影響を与えますので、医師の指示に従って早い時期からリハビリテーションを開始することも大切です。
予防
塩分や脂肪の摂り過ぎに注意する塩分の害を防ぐカリウムを多く含む野菜類を良く摂るまた、ニンニク、セロリ、タマネギ、ニラ、ホウレン草、トマト、イチゴには血栓を防ぐ作用があります。不飽和脂肪酸を多く含む魚類を積極的に食べる禁煙、アルコールを飲み過ぎない規則正しい生活、ストレスをためない入浴はぬるめの湯で、トイレは暖かく高血圧、糖尿病、心臓病などの場合は治療に専念する
(1)
脱水症状になると血液が濃くなり、血管が詰まりやすくなるので、水分の補給を心がける―特に脱水しやすい夏場に脳硬塞の発作が多く見られます。また、寝ている間は水分を取らないため、早朝に血液が濃くなりやすいので、夜中あるいは就寝前や早朝に水やお茶をコップ一杯飲むと良いでしょう。
(2)
脳卒中の大きな原因である動脈硬化の予防が、脳卒中の予防、再発防止に結びつきます。
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