認知症

HATSURATSU NEWS

日本において平均的寿命が延び高齢化が進む中、認知症が増え、身近な問題となりつつあります。最近は、介護する側、介護される側の双方の心身の健康を保つことの重要性がクローズアップされています。

認知症は脳の神経細胞が障害を受けることによって起こる病気で、状況の認識や判断ができなくなり従来の仕事や日常生活が困難になった状態を言います。

脳血管性認知症では、先に述べたように、動脈硬化が原因であり、基礎疾患の治療と予防が重要です。

治療

認知症の種類

症状は急激で段階的に進行します。70才前後に多く見られ、脳梗塞、脳出血などの血管障害がもとで起こります。脳血管障害の多くは「動脈硬化」を基盤として発生するため、予防と治療には動脈硬化を起こさせないことが大切です。動脈硬化の危険因子である高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などの病気の悪化が 発症のきっかけになります。肥満、喫煙、ストレス、運動不足なども動脈硬化の危険因子として挙げられます。症状には次のような特徴があります。まだら認知症…記憶の障害は著しいが、知識、常識はあり、症状の出方にムラがある人格は保たれ、昔からのその人らしさがあり、対人関係は良く、挨拶なども出来る。感情失禁…気持ちが不安定で、急に怒ったり、泣き出したり、また、短気・気むらである。夜間せん妄…夜間に大声を出したり暴れたりする、尿失禁。症状の前ぶれに、頭重やめまいが現れることもあります。

一度壊れてしまった神経細胞は元の状態に戻すことが出来ないため、認知症の治療は大変難しく、現在は特効薬はありません。しかし、早期に発見し治療を行うこ とによって症状を緩和したり、進行を遅らせることが可能です。認知症には大きく分けて「脳血管性認知症」と「アルツハイマー型認知症」とがあります。また、 両者の混合型もあると言われています。日本では従来、脳血管性認知症が5割以上を占めていましたが、最近はアルツハイマー型認知症が増加の傾向にあります。

両者に共通の症状としては、物忘れ、無関心、意欲の低下、抑うつ、徘徊(目的もなく出歩いて迷子になる)などがありますが、それぞれに特徴的なものもあります。

脳血管性認知症

症状は緩やかに直線的に進行します。発症後、2~3年経ってから気づくことも少なくありません。50歳前後から起きることもあり、比較的女性に多く見られます。脳の神経細胞が徐々に消失し、脳全体が萎縮するために起きる認知症です。原因は不明ですが、精神的、肉体的ストレスや社会的孤立などが発症のきっかけになるようです。脳血管性認知症と異なり全般的な認知症が見られ、人格が崩壊したりします。理解力・判断力・見当識が低下し、身だしなみにも気を配らなくなります。例えば、お湯 が沸いてもガス栓を締められないなど、その場の状況に合わせた判断・行動がとれなかったり、言葉が理解できない、簡単な計算や買物ができないといった症状が現れます。

日時や季節、自分のいる場所が分からない、人に物を盗られたとか被害妄想が現れたりします。

アルツハイマー型認知症

うつ病の時に、あたかも認知症であるかのような記憶力などの知的能力の低下を認めることがあります。しかし、真の認知症と異なり一過性で、うつ病が軽快すると認知症のような症状も改善します。仮性認知症の場合、表情が抑うつ的で、認知症とは逆に朝に症状が悪く夕方軽快する、見当識の障害はないなどの違いが見られます。

うつ病性仮性認知症

うつ病の時に、あたかも認知症であるかのような記憶力などの知的能力の低下を認めることがあります。しかし、真の認知症と異なり一過性で、うつ病が軽快すると認知症のような症状も改善します。仮性認知症の場合、表情が抑うつ的で、認知症とは逆に朝に症状が悪く夕方軽快する、見当識の障害はないなどの違いが見られます。

身体疾患の治療と予防

抑うつ、イライラ、不安などの症状がある場合には、向精神薬や抗不安薬が使われます。

薬物療法

作業療法が中心です。作業を行うことで感覚や運動機能、精神機能を働かせ認知症の状態を改善していきます。日常生活のちょっとした手先を動かす作業が、脳の働きを活性化させると考えられています。必要があれば運動訓練や言語訓練も行われます。

リハビリテーション

意欲の低下や無気力のため、家に閉じこもりがちな生活をしていると、認知症の進行が早まります。自分で出来ることは、なるべく自分で行い、出来るだけ毎日外出し、軽い運動や散歩を習慣づけることが大切です。

生活指導

介護が必要な場合、その内容が認知症の進行に大きく影響します。次のような注意が必要です。

    叱って自尊心を傷つけない患者さんのペースに合わせる孤独にさせたり、

        不安を与えない

    根気よく何度も説明する

    感情の交流を図る

介護

認知症の治療についていくつか挙げましたが、いずれにしても現在では根本的に認知症を治せるものではありません。しかし予防、治療として高血圧などの疾患をしっかり治療すること、ストレスを避け生き生きとした日常生活を送ることは、十分に意味のあることと思います。