水虫

HATSURATSU NEWS

「水虫は治らない」とあきらめてはいませんか?

治りにくい水虫は、皮膚の深部や爪に菌が残っていることがあります。私 たちの皮膚では、常に細胞が入れ替わっており、皮膚の最も外側には、古くなって死んだ細胞(垢)が積み重なった「角質層」と呼ばれる層があります。白癬菌 は、この角質を食べて生きていくカビの一種で、皮膚につくと菌糸をのばして角質に入り込み、繁殖を始めます。白癬菌は高温多湿の環境を好むため、梅雨の時 期から夏の間、盛んに活動し、冬期は活動を停止します。

水虫(足白癬)の分類

 

水虫は、「白癬菌(はくせんきん)」というカビ(真菌)が、足の指の間や足の裏にすみつくために起こる感染症です。

■ 趾間型

趾(「し」、足の指のこと)の間の皮膚が白くふやけてジクジクし、かゆみを伴い、皮がむけたりします。最も多く見られるタイプで、夏にひどくなり、冬に軽快しますが、冬でも多少白くふやけることもあります。

■ 水泡型

足 の裏や指の付け根に小さな水泡(水ぶくれ)ができます。水泡が破れた後に皮がむけた状態になります。水泡の周りが赤くなると、かゆみを伴うことが多いので すが、中には、かゆみもなく水泡も小さいために気付かずに過ごす人もいます。このタイプは、梅雨時に症状が現れ、多くは秋には自然に症状が無くなります。

■ 角質増殖型

水虫が長い年月をかけて進行し、足の裏全体に白癬菌が増殖したものです。

これによって角質が厚くなり、粉を吹いたように細かい皮がむけます。見た目には、ヒビ、アカギレと似ていることや、かゆみが殆ど無いことから、水虫と思わない人が多いようです。

■ 爪白癬

水 虫を長く患っているうちに、水虫が進行し、足の爪にまで白癬菌が感染することもあります。これを「爪白癬」と言い、足の爪が分厚く増殖し、黄白色に濁った り、変形してしまいます。爪白癬は、かゆみなどの自覚症状はありませんが、爪の中に白癬菌が潜伏しているので、いくら皮膚の水虫を治療しても、爪の中から 白癬菌が出てきて再発を繰り返します。

水虫の薬

《 外用薬 》

 

最近の医家向けの外用薬は有用性の点で進歩しており、皮膚への浸透力、貯留性にもすぐれ、薬効が長く続くよう工夫されていて、1日1回使用すれば良いようになっています。

※ 外用薬の塗り方

 

■  治療を始めたら、3ヶ月間必ず1日1回塗布する。

症状が無くなっても白癬菌はまだいるので、薬を止めるとすぐに再発してしまいます。勝手に薬を止めずに、医師の指示に従うこと。

 

■  皮膚が柔らかくなっている風呂上がりに塗ると浸透力が増し、効果的です。

塗る前に、足に付いた水分をタオルでよく拭き取りましょう。

 

■  目に見える病変部だけでなく、周辺部まで広く薬を塗る。

 

《 内服薬 》

 

内服薬は、角質増殖型や爪白癬に使われ、白癬菌の成育を阻害します。内服薬によって、皮膚の生きている細胞に薬効成分を取り込ませ、その細胞が、後に角質や爪になったときに白癬菌に感染しないようにし、感染した細胞が全てはがれ落ちるのを待ちます。

完全に治るまでには、角質増殖型では約3ヶ月、爪白癬の場合には約6ヶ月~1年かかりますが、根気よく薬を飲み続けていれば確実に治すことができます。

内服薬は市販されていませんので、皮膚科を受診して、医師に処方してもらう必要があります。

日常生活の注意事項

■  足を清潔にする

常に足の清潔を心がけ、石鹸で指の間と足の裏を毎日洗う。

 

■  足の裏の乾燥を心がける

足が濡れた時はタオルでよく拭き、乾かす。家ではなるべく裸足で過ごす。

 

■  靴を長時間履かない

サンダルに履き替えたり、毎日同じ靴を履かない。

 

■  こまめに足の爪を切ったり、ヤスリで爪を削る

特に、爪白癬では爪を短くして病巣部を減らすことが大切です。

 

■  靴下をまめに取り替える

靴下は通気性の良いものを選ぶ。5本指の靴下も良い。

 

■  家庭内感染を防止する

スリッパや浴室の足拭きマットは、家庭内で共用しない。畳の上など室内をこまめに掃除する。

水虫は、最近は優れた治療薬が出来たこともあり、完全に治すことが出来るようになりました。「水虫かな?」と思ったら迷わず皮膚科を受診して下さい。

また、水虫と似たような症状が、かぶれや湿疹で起こることがありますので、自己判断せずに皮膚科を受診することが大切です。