狭心症

HATSURATSU NEWS

心臓は、心臓のまわりを囲んでいる冠状動脈から酸素や栄養を吸収することによって、休むことなく収縮を繰り返し、全身に血液を送るという働きをしています。 ところが、冠状動脈がけいれんを起こしたり、動脈硬化などで狭くなると、血液の流れが悪くなり、心臓の筋肉に酸素や栄養素を運ぶ血液が十分に行き渡らず、 胸痛などの発作が起こります。これが、狭心症です。

動脈硬化が原因で起こる狭心症をそのままにしておくと、完全に冠状動脈がふさがり、心筋梗塞になります。

従来、狭心症は50才代や60才代に多く見られました。しかし、最近は飽食やストレス社会到来の中で、30才代という若い世代でも増えています。

症状

予防

これらの薬は、医師の指示通りにきちんと服用することが大切です。少し調子が良くなったからといって自己判断で途中でやめてしまうと、発作が再発したり、急性心筋梗塞が突然起こることがあり、非常に危険です。

狭心症には次の6大要因があります。

 

  高血圧

  高脂血症(コレステロール、中性脂肪が多い)

  糖尿病

  ストレス、過労

  喫煙

  肥満

 

これらの危険因子を抱え込まないようなライフスタイルが予防のポイントです。

それには、

 

  禁煙

  休養

動物性脂肪を少なめに

  食事は腹八分目

  適度な運動

  入浴はぬるめの湯で

  規則的な生活

 

などがあげられます。また、狭心症は、早期に発見し、的確な診断と的確な治療を受けることが第一ですので、年に1回は健康診断を受けて心臓の状態をチェックすることも大切です。

狭心症の症状は「ここが痛い」と指で示せるような痛みではなく、広い範囲で痛みを感じる点に特徴があります。

 

      胸全体が締めつけられる圧迫感を感じる

      心臓のある左胸が痛むというより、胸の中央から喉にかけて痛くなり、

         さらにあごや奥歯まで痛む

      左肩から腕まで痛い

      胸やけがする

      背中全体が痛む

 

このような発作は、精神的に緊張した時や労働や運動をした時、急に寒い所へ出た時、入浴時などに起こります。また、食後や睡眠中などにも起こることがあります。食後に発作が起きるのは、消化のために胃腸に血液がたくさん必要になり、心臓にそれだけ負担がかかるからです。発作の時間は2~3分、長くても5~15分位です。

発作が起きたら、椅子などに座り安静にします。横に寝てはいけません。横になると、下半身の血液が心臓に戻り、余計に心臓に負担をかけてしまうからです。その後は、必ず医師の診察を受けなくてはいけません。

心筋梗塞の場合は、発作が30分から数時間にも及び、痛みは激しく、呼吸困難、冷や汗、吐き気などがあります。発作が15分を越えたら、念のために救急車を呼ぶことが大切です。

治療

治療薬には次のようなものがあります。

■ 冠状動脈を拡げる薬

血液の流れが良くなり、心臓の筋肉に十分な酸素が届き、発作を抑えます。代表的なものにニトログリセリンの舌下錠があります。舌の下で溶かし数分のうちに効果が出ます。また、舌下に噴霧するスプレー式や軟膏、貼り薬などもあります。

■ 心臓の負担を軽くする薬

心臓が働き過ぎないように血圧を下げたり、心拍数を少なくして心臓の負担を軽くします。

■ 冠状動脈のけいれんを抑える薬

睡眠時などの安静時に発作の起きる場合は、冠状動脈のけいれんが原因なので、これを抑えます。

薬によるコントロールが難しい場合や、心筋梗塞になりやすいと判断された場合には、外科的治療も行います。

21世紀には、日本人の死因で、心臓病がガンを追い抜くと予測されています。狭心症は、日常生活に気をつけさえすれば、予防することも症状の進行を防ぐことも可能です。

ストレス社会と言われる今日、飽食に溺れることなく、一人一人が、自らの生活を改めて見直すことが必要ではないでしょうか。