主な症状 |
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■ 空腹時や夜間のみぞおち周辺の痛み
食事をすると、痛みは和らぎます。これは、食物によって胃液が中和され、胃壁が保護されるからです。
牛乳1本でも、胃壁に皮膜が出来て、痛みは治ります。
ところが、夜間や空腹時は、胃の中は空っぽなので、直接胃液が潰瘍の傷口を刺激するのです。また、夕方から夜半過ぎにかけて、胃液の分泌は高まります。これも夜間に痛む原因の1つです。
■ 胃もたれ
消化が、スムーズに行われないので、食物がいつまでも胃に残っている感じがします。
■ 貧血や吐血、下血
これは、潰瘍からの出血によるものですが、一般に十二指腸の壁が薄く、潰瘍がすぐ血管のあるところまで達してしまうためです。
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治 療 |
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治療の基本は、心身を安静に保つこと、それに食事療法と薬物療法です。
■ 食事
なるべく刺激の少ない消化の良いものを、少しずつ数回に分けて食べます。痛みが強い時には流動食にし、吐血や下血のある時は飲食を断ち、場合によっては入院治療が必要になります。
■ 薬
薬には大きく分けて2種類あります。
[1]胃液の分泌を抑えるもの |
[2]胃壁や十二指腸壁を被っている粘膜を保護するもの |
最近は、特効薬と言ってもいいほどの良い薬が開発され、ほとんどは手術をせずに、通院で治療できるようになりました。
しかし、痛みが止まったからといって、勝手に薬を飲むのをやめたり、また市販薬で症状がおさまることもあり、それで治ったと思っていると再発することがあります。薬は医師の指示に従ってきちんと服用することが大切です。
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再発の予防 |
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●薬は医師の指示通りにきちんと飲むこと
●酒、タバコを飲み過ぎない
●コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインや香辛料、炭酸飲料は
胃液の分泌を高めるので、空腹時に単独で摂るのは控える
●睡眠を十分にとり、規則正しい生活をする
●適度な運動や趣味などで、気分転換する
●鎮痛剤や、風邪薬は潰瘍を作りやすいので、不用意に服用しない |