不眠症
HATSURATSU NEWS
不眠症は、ストレスや生活環境の変化、高齢化の現代社会では、増加の傾向にあります。常時、睡眠薬を必要とする人は、全人口の約2%と推測されています。睡眠時間には、年齢差や個人差があり、6時間未満で十分な人もいれば、10時間以上とらないと満足しない人など様々です。
人は、脳及び身体を休息させるために眠ると言われています。
原因
◉ 精神生理的反応としての不眠
不眠症の中で最も多く、「今夜は眠れるだろうか」「眠らないと大変だ」と思って緊張して寝つけず、途中で目が覚めるなどの不眠に悩む状態で神経質性不眠だと言われます。
◉ 適応反応に伴う不眠
失恋や身内の不幸、失業などの精神的ショックが原因で起こる不眠
◉ 薬
お茶やコーヒーなどに含まれるカフェインや、エフェドリン(鎮咳剤)、副腎皮質ホルモンなどの治療薬で不眠になることがあります。
◉ 反跳性不眠
不眠対策として毎晩、睡眠薬やアルコールを飲み続け、急に中止すると逆に不眠が続くことを言います。
◉ 身体的不調
痛み、かゆみ、咳、頻尿など
◉ 明るさ、騒音などの睡眠にとって不都合な環境
◉ 高齢者の不眠
高齢者の眠りには、浅くて目覚めやすいという特徴があります。昼寝をしたり、夜は早くから床に入り、長時間を寝床の中で過ごすことが多いため入眠に時間がかかったり、夜中によく目が覚めて困ると悩む場合が多いのです。
◉ 海外旅行などによる時差ボケ
◉ 精神疾患
神経症、そううつ病などが原因で不眠になることがあります。
◉ 睡眠時無呼吸症
睡眠時に激しいイビキをかき、10秒以上の呼吸停止が一晩に30回以上あるため十分な睡眠がとれません。この治療には睡眠薬は使われません。
睡眠時間が著しく短い、眠りが浅く十分な睡眠がとれないなどから心身に様々な不調が生じている状態を不眠症と言います。睡眠には、心身の休息を行うレム(REM)睡眠と大脳の休息を意味するノンレム(NREM)睡眠があります。レム睡眠では、眠りが浅く夢を見ていますが、ノンレム睡眠は、眠りは深く熟睡している状態です。健康な眠りでは、一定の周期でレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されていますが、不眠症ではこの睡眠のリズムは乱れ、それが眠れない事への不安やあせりに繋がります。
対策
脳波をとると、健康な人と殆ど同じように眠っているのですが、「眠れない」と言って不眠で悩む人がいます。この場合「眠れない」と言う恐怖感のために眠ったという満足感が得られていません。「人間は必要な眠りは必ず取っているから大丈夫」と信じることが大切です。早くから床に就くことを改め、自然に訪れる眠りに身も心もゆだねるようにします。家族との団らんや趣味などで気分転換をしたり、適度な運動をして体の調子を整え心身をリフレッシュさせることも大切です。
治療
不眠を治すためには、不眠の原因を取り除き、昼夜での睡眠と覚醒のリズムを整えることが大切ですが、重い不眠の場合には睡眠薬が必要になります。現在使われている睡眠薬は、副作用や依存症は少なく、速効性のものから、ゆっくり効いて長時間効果の続くものまでいろいろ種類があります。
~不眠は、大きく分けて次の3つです~
(1) 眠障害(寝付くまでに時間がかかる)
(2) 眠障害(夜間何回も目が覚め、眠りが浅い)
(3) 朝覚醒(早朝から目覚め、その後眠れない)
~睡眠薬の持続時間による分類~
(1) 時間型(持続性睡眠剤)6時間以上/不安の強い場合に用い、昼夜の不安を軽減し夜間の睡眠をとりやすくします。
(2) 間型(熟眠剤)3~6時間/早朝覚醒や熟眠障害に有効です。
(3) 時間型(睡眠鎮静剤)1~3時間/入眠障害や熟眠障害に用います。
(4) 時間型(就眠剤)1時間以下/入眠障害や適応反応の伴う不眠に使います。
睡眠薬を服用するときは、次のような点に注意して下さい
(1) 就眠の30分くらい前に服用する
(2) 必ず医師の指示に従って服用し、服用量を勝手に調節しない。
(3) 薬の作用が強く出るので、服用前後にアルコール類は絶対にとらない。
(4) 睡眠薬の効果に頼りすぎず、規則的な生活習慣も心がける。
(5) 不眠症の原因や睡眠薬の作用について、十分理解した上で、使用する。
(6) 高齢者は、薬の影響が残りやすいので特に、
起床時や夜間トイレに起きた時には、ふらつきに注意する。
(7) 癖になるなど、他人からの言葉に惑わされず、
医師の指示に従うことが大切。
眠りは、心身の休息と疲労回復にとって大切なものです。不眠が続くと体力は消耗し、様々な病気の引き金にもなります。日常生活のリズムを整えることが大切ですが、重い不眠症の場合には、医師に相談し、規則正しい睡眠を得ることが大事
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